確定申告をワザとしていない!!書類も破棄している!!これってどうなるの??

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確定申告をワザとしていない!!書類も破棄している!!これってどうなるの??

確定申告をワザとしていない!!書類も破棄している!!これってどうなるの??

 

・美容室などの店舗運営を行っており、利益が出ているのに確定申告をしていない。

 

・不動産を売却して、儲けがでたのに確定申告していない。

 

・税務署が調査に入っても分からないように、売上日報やレジロール、領収書などは全部破棄している。

 

上記に該当する方はいませんか??

 

こういった場合、税務署がどう対応するのかを、法律上の決まりと現場の税理士目線で解説します。

 

儲けがあったのに、確定申告をしていない。(単純に無申告の状態)

 

税金をゴマかすために他人名義を使用したり、書類を破棄しているなど、特別に証拠隠滅をしている訳ではなく、単純に申告しなければいけないのに申告をしていない。

 

売上や経費にかかる書類もそのまま保管している。

 

こういった状態ことを、「単純無申告」といいます。

 

これは法律上の用語ではなく、税務の実務上使用されている用語です。

 

単純無申告が税務署にバレた場合、過去何年分の税金がくるのでしょうか??

 

税務署が過去に遡って税金を徴収するためには、法律上の規定に沿って課税を行う必要があります。

 

国税の徴収に関する法律は、「国税通則法」に規定されています。

 

単純無申告の場合、いつまで遡って税金を徴収できるかの法律について。

 

国税通則法第70条(国税の更正、決定等の期間制限)

「更正又は決定は、その更正又は決定に係る国税の法定申告期限から5年を経過した日以後においては、することができない。」

 

税金の徴収は、必ず法律上の規定に沿って行われます。

 

つまり、税務署は、過去5年間分の税金を徴収することができます。

 

過去の申告をまとめて行った場合は、ペナルティーはあるの??

 

税務署は、無申告の納税者がいると把握した場合、過去5年間に遡って税金を徴収することができる事は上記で確認しました。

 

では、過去の申告をまとめて行った場合、ペナルティーはあるのでしょうか?

 

税務署から税務調査の連絡があり、調査の結果、過去分の申告を行った場合、2種類のペナルティーが課税されます。

 

①延滞税(国税通則法第60条)

②無申告加算税(国税通則法第66条)

 

本来、納付しなければいけない税金の納付が遅れた訳ですから、もちろん利息(延滞税)がかかります。

 

罰則が利息だけだと、申告しない人が増える恐れがあり、制裁を厳しくする意味で罰則金(無申告加算税)もかかります。

 

この無申告加算税がいくらぐらいくるかというと。

 

≪無申告加算税≫

「期限内申告がなかった場合に、納付すべき税額に対して、50万円までは15%、50万円を超える部分は20%の加算税が課される。」

 

例:本来、平成28年分の確定申告において、所得税を30万円納付しないといけなかった場合。

 

30万円×15%=4万5千円。

 

つまり、本来の税金30万円と加算税を合わせて、34万5千円納付する必要があります。

 

もちろん、過去5年分遡った場合は、5年分納付が必要となります。

 

所得税の申告を行うことで、住民税、個人事業税、国民健康保険にも影響がありますので、トータルでものすごい税額となることもあります。

 

これだけ見ても無申告でいることの怖さが分かるのではないでしょうか。

 

無申告の税額が多額で悪質な場合は、刑事罰である懲役刑も科せられることがあります。

 

こちらに刑事罰が科せられる査察調査について記載しています。

 

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単純無申告ではなく、書類の破棄を行うなど悪質な場合はどうなるの??

 

書類の保管もせずに、他人名義を使用したり、売上の証拠となる書類を破棄している。

 

こういった故意による悪質な無申告に対しては、厳しい取扱いが整備されています。

 

≪単純無申告とは違う、悪質な無申告に関する取扱いの違い≫

 

・税金の徴収期間の延長 5年→7年へ

・重加算税という重い罰則の適用 納付すべき税額の40%

 

大きな違いとして、遡及する調査期間の延長と罰則が重くなります。

 

調査期間延長の根拠は、下記の法律です。

 

国税通則法第70条

偽りその他不正行為によりその全部若しくは一部の税額を免れた国税については、第一項の規定にかかわらず、7年を経過する日まで、することができる。」

 

単純無申告の場合とは、冒頭部分が違うのが確認できますか??

 

「偽りその他不正行為により」とあります。

 

つまり、単純無申告ではなく、この偽りその他不正行為によるものと判断された場合に限り、5年間ではなく、7年間の徴収期間が適用されます。

 

税金の徴収期間が7年になる「偽りその他不正の行為」とは??

 

この「偽りその他不正の行為」については、法律上の定義はありませんが、実務上、最高裁の判決により示された下記の内容をもとに判断が行われています。

 

最高裁判決昭和42年11月8日

「税額を免れる意図の下に、税の賦課徴収を不能又は著しく困難にするような偽計その他の工作を行うこと。単に申告をしないというだけでなく、なんらかの偽計その他の工作が行われることを必要とする。」

 

つまり、単純無申告ではなく、何らかの隠ぺい工作を行っている場合のみ該当するということです。

 

実際の実務上では、過去の事例を参考に税務署内での取扱い運用指針がありますので、それに該当するかどうかで判断が行われています。

 

「偽りその他不正の行為」に該当する例示としては、下記のようなものがあります。

 

・取引上の他人名義の使用

・帳簿書類の破棄又は隠匿

・二重帳簿の作成など

 

どれも税金の賦課徴収を困難とする意図がなければ行われないことです。

 

また、重加算税の対象とされる範囲については、国税通則法第68条に規定されています。

 

重加算税の対象となるのは、どういう場合??

 

国税通則法第68条の規定により、納付すべき税額計算の基礎となる事実に隠ぺい又は仮装がある場合は、無申告加算税の代わりに特別に重い罰則が課されます。

 

無申告加算税の代わりに課される重加算税の額は、納付すべき税額に対して40%です。

 

例:本来、平成28年分の確定申告において、所得税を30万円納付しないといけなかった場合。

 

30万円×40%=12万円

 

つまり、本来の税金30万円と加算税を合わせて、42万円納付する必要があります。

 

この重加算税が課される要件は、「事実に隠ぺい又は仮装がある場合」とされています。

 

具体的な内容としては、最高裁平成7年4月28日判決により示されています。

 

判決によると、重加算税が賦課される要件は、納税者が当初から所得を過少に申告することを意図し、その意図が外部からもうかがい得る特段の行動がある場合とされています。

 

つまり、言葉は違いますが、先ほど確認した「偽りその他不正の行為」と同様のケースが対象とされています。

 

無申告の場合、どのように改善すればいいのか??

 

無申告や領収書を破棄している場合は、重たいペナルティーが用意されています。

 

これまでの行為を改めようと思った場合は、どのように対応したら良いのでしょうか??

 

それは、今からでもいいので過去に遡って申告書を作成して正しい申告を行うことが一番です。

 

もちろん、本来の提出期限を過ぎての申告になるため、少なからずペナルティーはあります。

 

ですが、自分達で集計を行い、自分達で申告納付するという「申告納付制度」のもとでは、税務署から指摘を受ける前に、自ら申告する納税者に対しては、罰則が軽減されるなどの税務メリットがあります。

 

税務署から調査の通知がある前に、自分から申告した場合、下記のようにペナルティーが軽減されます。

 

・無申告加算税 15% → 5%へ

 

申告納税制度とは??

 

申告納税制度とは、納税者自らが税法を正しく理解し、その税法に従って正しい申告と納税を行うことを言います。

 

つまり、日本の法律上は、収入があれば、自分達で計算して自分達で申告納付を行う必要があるということです。

 

そのため、申告納税制度の秩序維持のために、無申告や脱税行為については、厳しい罰則が規定されているのです。

 

書類が無くても、税務署は課税できる??

 

書類を破棄すれば、正しい売上や利益が計算できないので、税務署は課税できなくなる??

 

それは間違った認識です。

 

税法には、そういった困難なケースも想定して法律が整備されています。

 

納税者が書類を破棄しており、正しい数字の把握が困難な場合は、同業種同規模などの申告状況を根拠にして課税することが認められています。

 

所得税法第156条(推計による更正又は決定)

「税務署長は、居住者に係る所得税につき更正又は決定をする場合には、その者の財産若しくは債務の増減の状況、収入若しくは支出の状況又は生産量、販売量その他の取扱量、従業員数その他事業規模によりその者の各年分の各種所得の金額又は損失の金額を推計して、これをすることができる。」

 

仕入先に反面調査を行い、仕入数から売上を推計して課税を行うことや、家族状況などから必要な生活費の金額を計算し、おおまかな利益額を推計して課税を行うことができるのです。

 

その結果、本来の利益より多く税務署側が推計を行ったとしても、本来の利益を証明する証拠を破棄しているのは納税者自身ですので、正しい利益を証明することができません。

 

証拠書類を破棄するということは、言い換えれば、納税者としての権利を放棄することと同じとも言えます。

 

脱税行為は、罰則があるだけでなく、社会的にも良くないということを理解してもらえることを望んで、納税の意義に関するコラムを書いています。

 

『無申告やつまみ申告などの脱税行為、本当に続けますか??』

 

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