オーナー社長借入金

column

コラム

オーナー社長借入金

Tax Deduction. Business Concept Cartoon Illustration.

オーナー社長借入金

 

税理士会の全国統一研修会にて。

 

研修テーマは、「法人税の税額控除制度、消費税の税率引き上げに伴う実務上の留意点とオーナー社長借入金をめぐる税務」

 

講師は、東京税理士会の理事等を務められたことのある、苅米裕先生でした。

 

苅米先生は、東京税理士会の会員相談室の相談員としての経験もお持ちで、判断に困る様々な事例を通して、実務に精通されている方です。

 

オーナー社長借入金をめぐる税務!

今回の研修参加の目的は、「オーナー社長借入金をめぐる税務」の探求でした。

 

私自身、このテーマについては1年以上前から幅広く研究しているテーマであり、来年の相続税法改正により、今後さらに重要性を増していくであろうと思われます。

 

このテーマの問題点としては、法人が役員からお金を借りている(役員借入金)場合において、その役員が亡くなった時には、役員借入金が相続財産として評価されてしまう点です。

 

多額の役員借入金が発生する要因とは?

多額の役員借入金が発生する要因としては、主に下記の2つがあります。

 

① 過去、会社の業績が良かった時代に、個人として多額の報酬をとっており、その後、業績の悪化に伴って、個人預金を法人へ貸付けているケース。

 

② 多額の投資を伴う事業により、資本金の増加を避けるため、オーナーが個人預金を法人へ貸付けているケース。

 

①のケースであれば、業績が悪化しているので、法人から返済を受けることはほぼ困難な状況です。

 

②のケースでも、貸付金は社内の固定資産等へ振り替えられていますので、返済は簡単にはいきません。

 

この役員借入金が相続財産として評価される際には、返済が困難な場合がほとんどであるにも関わらず、課税実務上は、額面(貸付額)での評価が行われています。

 

長い年数をかけて、多額の役員借入金が積みあがっているにも関わらず、返済の見込みがたたないまま相続を迎えた場合、相続税の納税資金問題へと発展してしまいます。

 

私自身、この問題の解決策として、「短期間で有効なウルトラCの解決策は無い」というのが研究していて感じたことでした。

 

今回の研修にあたり、苅米先生もこの問題の重要性を何度も強調されていたのですが、このテーマの冒頭、「この問題については、ウルトラCの解決策は無く、少しずつ取り組んでいくしか無い」と言われていたのが印象的でした。

 

私自身の見解に間違いはないことを確認してホッとする反面、より深い探求を行うことで、この問題の周辺知識に精通し、解決に向けての実行可能性を高めていく必要性を強く感じました。

 

役員借入金の解消の手段とは?

現在、役員借入金の解消にあたっては、概ね下記の9つの手段が採られています。

 

① 役員借入金の贈与

 

→ 相続税と贈与税の税率差を利用して負担を軽減することが可能。

 

② 役員借入金の債権放棄

 

→ 繰越欠損金がある場合は、税負担が無く借入金の解消が可能。ただし、債務免除益により純資産が増加する場合は、みなし贈与の認定リスクがある。

 

③ 役員報酬の減額

 

→ 返済原資を確保する一般的な手法。ただし、法人の利益が返済原資となるため、法人税の負担が増えるリスクがある。

 

④ 代物弁済による返済

 

→ 法人所有の財産を相続税の減額余地がある個人財産へ組み替えることが可能。

 

⑤ 他の関連法人からの借入による返済

 

→ 関連会社間で資金融通することで、支払受取利息の計上、返済時期について融通を利かせることが可能。

 

⑥ 他の役員からの借入による返済

 

→ 他の役員からの借入金へ組み替えることで、将来の返済可能性を残しながら相続対策を行うことが可能。

 

⑦ 役員への未収金相殺による返済

 

→ 役員から法人資産の利用料を徴収することで、返済原資とすることが可能。

 

⑧ 法人を解散して採算部門のみで再スタート

 

→ 期限切れ欠損金を利用することで、借入金の解消が可能。

 

⑨ 貸付債権を現物出資

 

→ 資本金へ振り返ることで、借入金の解消が可能。ただし、現物出資後の資本金問題、債権消滅益の問題、残存株主へのみなし贈与の問題がある。

 

もちろん、これらの手法には、メリットだけでなく税務リスクやデメリットも混在していますので、実行にあたっては慎重な判断が必要です。

 

役員借入金問題に解決にあたっては、まず、なぜ相続財産として組み入れられた役員借入金には減額の余地がほとんどないのか、過去の裁決判例を知っておく必要があります。

 

また、実際に解決策を実行する際には、相続税だけでなく、法人税、消費税、所得税、贈与税、会社法、裁決判例を横断的に見ていく必要があり、このことが問題をより複雑なものへとしています。

 

今回の苅米先生の研修は、これまで調べてきたことの再確認や周辺知識の補強、新たな考え方を得ることができ、非常に有意義な研修となりました。

LINE@サポート窓口はこちら

LINE IDから
@sak8119o
友達追加ボタンから
QRコードから

お問い合わせの際には、
下記の項目をお送りください。
①お名前 ②事業内容 ③お問い合わせ内容 原則として24時間以内に、税理士の有馬から
返事をお送りして、ご相談の概略をお聞きした上で、
ご相談の方法・日時を調整いたします。

※お客様からお問い合わせいただいた内容については、個人情報保護方針を定め、情報の管理保護に努めています。

※お客様からお問い合わせいただいた内容については、個人情報保護方針を定め、情報の管理保護に努めています。